yumomomo連載コラム「カラーで生きる」 第4回「りんごは『赤い』」

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 2016年3月からPAGEVIEWでスタートした日用雑貨クリエーターのyumomomoさんによる連載コラム「カラーで生きる」。yumomomoさんが独自の視点で様々な色について描き、毎週金曜日にお届けします。第4回は「りんごは『赤い』」――

第4回 「りんごは『赤い』」

 色のコラムをいくつか書かせてもらっているが、そもそも色というものに対してわたしがどういうふうに考えているか、たまに思うことがあるので、今回はそれを書かせていただく。
 わたしが時々思うことは、「りんごはほんとうに赤いのか」ということだ。動画サイトで、とある一般人がこまめにアップしている動画をよく見ているのだけど、その彼女は大半は自分の病気について話したり、ヘーゲルについて語っている(たぶんヘーゲルが好きなのだろう)だけという、誰が見るんだ的なチャンネルだ。そこで先日アップされた新しい動画を見ていたら、「りんごは赤いか」ということを話していて、わたしと同じことを思っている、と思った。
 その「りんごは赤いか」とは、ざっくり言うとこんなところだ。
 その「もの」がその色をしているということは、目で見て「あ、赤いな」と感じるのではなくて、幼いころのまわりの大人たちの教育によって「りんごは赤い」ということを覚えさせられている、ということだ。本当はりんごは赤くないかもしれない。紫かもしれないし白かもしれないし銀色かもしれない。でもわたしたちは教育によって「りんごは赤い」ということを覚えさせられている。りんごを目にした瞬間に「赤い」と認識するというのは、純粋に視覚的情報ではなくて、いわゆる刷り込みによって「赤い」と認識しているのだということも考えられる。大半の人は「ばかな。そんなはずはない。だってどう見たって赤いじゃないか」と考えるだろう。しかしほんとうに「りんごは赤い」と証明することはおそらく誰にもできないはずだ。
 これはもしかしたら有名な話かもしれないけれどわたしは自然とそう思ってきたし、そのネット動画を配信するチャンネルユーザーもどこどこから参照、ということは言っていなかった。これはどこの誰の論である、ということを知っている人は、ぜひともお教え願いたい。
 わたしはそういうふうに、ある意味懐疑的にものごとを見るクセがある。その理由のひとつは、おもしろいからだ。そういうスタンスの方がものごとをいろんなふうに見ることができる。あるひとつの自分の信じた「真実」だけを見て生きているのがいいという人は好きにしたらいいと思う。わたしはそれを否定しないし、もの申すつもりもない。ただそういう見方でまわりをみているとどうしても視野が狭くなることはいなめない。
 まあでもワインは灰色だと思うより濃いめの赤と思った方がおいしいし、ごはんは白、シャケの焼いたのは赤と黄色の中間色だと思った方が、そりゃおいしいけどね。

yumomomo(日用雑貨クリエーター)

【お知らせ】
本コラムの筆者であるyumomomoさんが、先日、自身の作品を展示・販売するネットショップ「MIDORI」をオープンしました。コラムとあわせてご覧ください。
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