連載コラム「カラーで生きる」 第10回「そら色のグレー」

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 日用雑貨クリエーターのyumomomoさんによる連載コラム「カラーで生きる」。本連載ではyumomomoさんが独自の視点で様々な色について描き、毎週金曜日にお届けします。第10回は「そら色のグレー」――

(※4月25日、画像を変更しました)

第10回 「そら色のグレー」

  ちいさいころに、「そらいろのたね」という絵本を読んだ。おとなになったわたしにとっては、「そら色」というと、なにか小さいころのなつかしさを思わせるものになっている。
 そら色というとまずはうすい青とか水色のことだと連想するが、グレーでもあるとわたしは思っている。それこそ夜の黒といってもいい。わたしはグレーの「そら色」が好きだ。
 昨日は天気が悪かった。じっさい雨は小雨で済んでいたがニュースでは台風が近づいていると言っていた。昨日の空はおだやかに静まったうすい灰色の空ではなくて、大きな濃い灰色の雲がごろごろと、うねるように動いていた。昨日の雲はわたしの好きな感じの灰色だった。天気が荒れそうなときはなんだかわくわくしてしまう。
 そんな昨日は折り畳み傘を持って出かけた。台風になったら折り畳み傘ではもたないかもしれないと思ったけれど、わたしはその傘を先日新調して、いつおひろめしようかと思っていたところだった。そのオレンジ色の傘は、きっと濃いグレーをさらに楽しませてくれるだろう。明るいオレンジ色とグレーは合うから。

 絵本の「そらいろのたね」は、最後はどうなるんだっけ。たしか、わがままっぽいきつねがいて…。
 主人公の男の子がたからものであるおもちゃの飛行機を持っていて、きつねは自分の「たからもの」であるそらいろのたねと、男の子のたからものである飛行機を交換しようと言い出すんだったっけ。それで男の子がそらいろのたねを土にうめたら、ちいさいおうちができて…。
 覚えているものだな。
 昨日はそうやって「そらいろのたね」を思い浮かべながら歩いた。細かい小雨が降ってきたので傘を広げると、やっぱりオレンジ色は濃い雲の色に合うのだった。

 青い空が見えぬなら青い傘広げていいじゃないか、というのは宇多田ヒカルがうたっていた。ほんとにそうだな。いいこと言うなあ。でもくもり空が好きなわたしは青空でもグレーの傘を広げちゃうかもしれないけど。

yumomomo(日用雑貨クリエーター)

【お知らせ】
本コラムの筆者であるyumomomoさんが、先日、自身の作品を展示・販売するネットショップ「MIDORI」をオープンしました。コラムとあわせてご覧ください。
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