オリンピック中継最前線!「伊藤清のブラジルレポート」第1回 メディアの食事情

IBC(国際放送センター)で提供されるメニュー
IBC(国際放送センター)で提供されるメニュー

 8月5日に開幕を控えるリオデジャネイロ五輪。競技場の設営準備の遅れやジカ熱の蔓延、治安問題など不安要素が報じられているが、開幕後に急激な盛り上がりを見せる事は、過去大会の例からも予想に難くない。

 前回のロンドン大会では開会式だけで世界約9億人が視聴したと言われるオリンピック。

 PAGEVIEWでは、長年に渡りオリンピックやワールドカップ等でのテレビ中継システムの構築を担い、今大会も現地と日本の視聴者の懸け橋となる株式会社メディアプロデュースジャパンの伊藤清氏による、リオ五輪の開幕を控えた現在から閉幕後まで最前線の情報を伝える「伊藤清のブラジルレポート」を連載。

 テレビでは報じられない現地の情報を、オリンピック中継の最前線から伊藤氏がレポートする。第1回のテーマは「メディアの食事情」――

「メディアの食事情」

 オリンピックを取材するメディアは「映像系」と「活字系」のふたつに分かれ、「映像系」はIBC(国際放送センター)、「活字系」はMPC(メインプレスセンター)を主な活動拠点にして、自国に向けて様々な情報を発信する。
 両者の建物は、どの大会でも隣接する立地に建設され、それぞれの中にレストランやカフェも併設される。

 これは以前から感じている事だが、IBCよりもMPCの方が充実した店舗が出来るような気がする。歴史の古さから見ても、映像媒体よりも活字媒体の方が権威があって優遇されているのか?やはりペンの力は絶大なのだろうか、と考えてしまうのは穿ちすぎか。

 さて、そんな事を思いつつ、今回はリオ五輪のIBC内にあるレストランを紹介したいと思う。
 IBC内にはメインのレストランが一軒といくつかのカフェがオープンしている。メインのレストランはグラム売りのシステムで、サラダからメイン、デザートに至るまで、好きなものをビュッフェ形式で取り、レジで重さを量り料金を支払うシステムになっている。値段は100グラムあたり約10レアル、写真のサラダ、ポークソテー、パエリアで約300グラム、飲み物と合せて日本円にして約1200円なので、若干高めといったところだろうか。

 味は悪くないと思うが、例えばお寿司や酢の物など、日本食に関しては少々ずれていると感じる。イタリア人に言わせればピザについて、スペイン人に言わせればパエリアについて、ちょっと味がずれていると感じるかもしれない。

 とはいえシェフからすれば、誰かに言われて各国のメニューを作っているだろうから、無理もない話だ。

 ちなみに、アメリカの五輪放送を一手に受け持つNBC(National Broadcasting Company)は、莫大な放映権をIOCに支払っている事もあり、広大な自社ブースエリアの中に専任のシェフを本国から連れてきていて、自分たち専用のレストランやバーを特設する。
どこにでも「アメリカを作ってしまう」やり方は、五輪も戦地も変わらないかもしれない。

 そして、アメリカに負けず劣らず各国のメディアも食事には気を遣っている。例えば日本メディアならカップラーメンやレトルトのご飯とみそ汁、韓国メディアならキムチといった自分たちの舌に馴染みのある食べ物を自国から持ち込み、いわば「食のホームシック」にならないようにして、日々の取材や中継に励んでいる。

 この大会のために血の滲むような努力をしてきた選手たちの姿を一瞬たりとも見逃さない為にも、メディアは常に万全の備えをしていないといけない。

 腹が減っては戦はできぬ。メディアたちの取材合戦は食事から始まると言っても過言ではない。

 ではまた近いうちに、Ate logo!

リオ五輪の水泳開場付近
リオ五輪の水泳会場付近

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