リオ五輪開幕直前!「伊藤清のブラジルレポート」第2回 オリンピックのスローガン

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 いよいよ開幕まで一週間を切ったリオデジャネイロ五輪。競技場の設営準備の遅れやジカ熱の蔓延、治安問題など不安要素が報じられているが、開幕後に急激な盛り上がりを見せる事は、過去大会の例からも予想に難くない。

 前回のロンドン大会では開会式だけで世界約9億人が視聴したと言われるオリンピック。

 PAGEVIEWでは、長年に渡りオリンピックやワールドカップ等でのテレビ中継システムの構築を担い、今大会も現地と日本の視聴者の懸け橋となる株式会社メディアプロデュースジャパンの伊藤清氏による、リオ五輪の開幕を控えた現在から閉幕後まで最前線の情報を伝える「伊藤清のブラジルレポート」を連載。

 オリンピック中継の最前線から伊藤氏が届ける本シリーズ。第2回のテーマは「オリンピックのスローガン」――

「オリンピックのスローガン」

 近代オリンピックの父と呼ばれるピエール・ド・クーベルタン伯爵は、1894年パリで開かれた、後のIOC(国際オリンピック委員会)の礎ともなったと言われるスポーツ競技者連合の会議で、古代オリンピックを近代において復活させる意義を提起した。

 「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」という理念を説き、その二年後の1896年に近代オリンピックは復活し、第一回大会がギリシャで開催される事になる。

 「オリンピックの理想は人間を作ること、つまり参加までの過程が大事であり、オリンピックに参加することは人と付き合うこと、すなわち世界平和の意味を含んでいる」とも唱えているクーベルタン伯爵の理念を継承するべく、スポーツを通じて人と人とが互いに理解し合い、平和な世界を維持する事を忘れないためにも、オリンピックでは毎回、大会のスローガンを掲げている。その中から、ここ何大会かのものを紹介してみたい。

・2012年夏 ロンドン Inspire a Generation(次世代への息吹を)
・2010年冬 バンクーバー With Glowing Hearts(輝く心と共に)
・2008年夏 北京 One World、One Dream(一つの世界、一つの夢)※ちなみに1964年の東京大会のスローガンは、世界はひとつだった。東京へのライバル心と捉えるのは考えすぎだろうか。
・2006年冬 トリノ Passion lives here(情熱はここに息づく)
・2004年夏 アテネ Welcome Home(おかえりなさい)
・2002年冬 ソルトレイクシティー Light the Fire Within(こころに火を灯せ)
・2000年夏 シドニー Share the Spirit(互いに心をかよわせよう)

 特に2004年のアテネ大会は、悠久の時を経て、オリンピックが里帰りした記念すべき大会であり、「おかえりなさい」とは粋なスローガンである。

 そして、いよいよ開幕間近!2016年リオ大会はというとA new world、すなわち「新しい世界」。ブラジルの国民的な音楽であるボサノバの意味も、ボサはwave、ノバはNewで、つまり「新しい波」だ。伝統を重んじながらも、新しいものに挑戦するという、ブラジル国民の心意気を感じるスローガンではないか。
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 今回のオリンピックをきっかけに、たくさんの人たちが心を交わし合い、また新しい世界が拓けることに、クーベルタン伯爵も微笑んでいることだろう。

ではまた近いうちに、Ate logo!

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