政府が「一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ」と位置づける「働き方改革」。この4月からは「働き方改革関連法」の施行により大企業では「時間外労働の上限規制」が導入され、いよいよ「働き方改革元年」を迎えた。
オフィスを対象に2013年からサービスを展開
そんななか斬新な「職場環境改善サービス」として注目を集めているのがUSENのオフィス用BGM 「Sound Design for OFFICE」(以下、SDO)だ。飲食店向けにBGMを提供するイメージが強い同社だが、SDOでは一般企業のオフィスを対象として2013年からサービスを展開している。
SDOについて「サービス開始当初は、企業様から関心頂くのが本当に難しかったんですよ」と明かすのは、株式会社USEN-NEXT HOLDINGS コーポレート統括部広報部マネージャーの清水さやかさん。「当時は、多くの企業で『職場でBGMを流すこと』自体への抵抗感が強く、サービスをご案内しても『軽い会社と思われる』といった反応も多かったですね。我々も社会貢献的にはじめたものだったので、いつかは分かってくれると思っていましたが」と振り返る。
「働き方改革」を促進するSDOのメリット
そんな状況でスタートした同サービスだが、風向きが一変したのは働き方改革が叫ばれはじめた2016年頃。各企業で職場環境改善への関心が高まり、SDO導入のメリットが認知され、問い合わせが急増したという。
果たして、SDOは職場環境にどのような変化をもたらすのか――
「三井ホーム様では『終礼を知らせるBGM』として映画『ロッキー』のテーマ曲を流しているんですよ」と明かす清水さん。とりわけ多忙で知られる不動産業界だが、SDO導入以降の同社では「『ロッキー』から逆算して段取りを考えられるようになった」との声が社員から上がり大好評。実際に「残業時間24%削減」の達成につながったという。
オフィスの騒音をカットする「マスキング効果」も大きなメリット。BGMによる“音のカーテン”を作ることでOA機器や電話などの騒音を軽減することができる。「特にシェアオフィスを運営されている企業様から好評です」と清水さん。集中力アップに加え、物音が気にならなくなるなることで「緊張の緩和」にも大いに役立つに違いない。
もうひとつのメリットが受付や窓口にBGMを流すことで来訪者に好印象を与える「イメージ効果」だ。清水さんによると「住民票取得時などのストレスを軽減する目的で導入される自治体もあります」とのこと、待ち時間の多い役所での「イライラ防止」に力強く貢献している。さらには窓口で対応する担当者のモチベーションアップにつながる効果も期待できる。
「一貫して大切にしているのが『エビデンス』」
こうしたメリットにより企業のニーズが拡大しているSDOだが、開発の裏には「効果の裏付け」を求める徹底した取り組みがあった。
「一貫して大切にしているのが『エビデンス』ですね。SDOを立ち上げた当初から大学教授や精神科医の方々と研究を繰り返し、現在も東海大学、早稲田大学など教育機関と共同研究を行っています。昨年10月にはじめた早稲田大学のマーケティング・コミュニケーション研究所との取り組みでは『音楽が働く場において生産性やコミュニケーションの円滑さにどのような効果があるか』を研究しているんですよ」(清水さん)
音楽の力で職場環境を改善する「Sound Design for OFFICE」。まさしく「働き方改革時代に必要とされるサービス」なのであった。
(取材・文/PAGEVIEW編集部)
「Sound Design for OFFICE」
初期費用(税別) 30,000円~
月額費用(税別) 5,000円