「ハワイアンビューティのすすめ」vol.22 伝説の花・ナウパカ
写真:Forest & Kim Starr

南国の楽園・ハワイの魅力について、日本ハワイアンビューティ協会がお届けする連載コラム「ハワイアンビューティのすすめ」。第22回目の今回はHawaiian Beauty©公認インストラクター・増田千晴さんが紹介する「ナウパカの話」――

伝説の花・ナウパカ

ハワイには沢山の花々が咲いていますが“ナウパカ”という花があるのはご存知でしょうか?
私は、この度、栃木県宇都宮市にHawaiian Shop「Hopena」をオープンする事になり、お友達にロゴマークを作っていただいたのですが、大好きな花・ナウパカをモチーフにしました。ハワイの花たちには、いろいろな伝説がありますが、私はこの花の伝説が大好きです。

ナウパカをモチーフにしたロゴマークと店舗

ナウパカをモチーフにしたロゴマークと店舗

ナウパカは花びらが下半分しかなく、中央のめしべから上半分の花びらは、まるでちぎられてしまったかの様に咲いています。そんなことから、この花については幾つか伝説が生まれています。

花びらが半分しかない理由

その中から私が好きな説を2つほど。
(1)火の女神ペレが、あるとき若者に恋をしました。しかし、その若者には恋人がいました。そのことを知った嫉妬深いペレは怒り狂い、ペレの怒りを避けるために若者は海へ、恋人の女性は山へ逃げました。二人は遠く引き裂かれることになってしまったのです。やがて、二人が逃げた海と山のそれぞれに小さな白い花が咲きました。若者が逃げた海にはビーチ・ナウパカ、彼女が逃げた山にはマウンテン・ナウパカが咲きました。2つの花はペレによって引き裂かれたように、今でも半分の花を咲かすことしかできず、この2つのナウパカを合わせると、2人の魂に導かれ、恋人達はきっと結ばれると言われています。

ビーチ・ナウパカの花

ビーチ・ナウパカの花

(2)その昔、ナウパカという名前の美しいハワイアンのお姫様がいました。ある日、ナウパカは漁師のカウイと身分違いの恋に落ちてしまいます。当時のハワイでは、貴族と平民が結婚することは固く禁じられていました。二人は答えを見つけるために長い旅に出ます。彼らは山に登り、ハワイアンの司祭に会います。司祭は、「君達に私は何もしてあげられない。ただ祈りなさい。」といいます。言われたとおり祈り始めると突然激しい雨が降り出し、二人はこの恋が叶わないことを悟ります。ナウパカは髪に飾っていた花を2つに裂き、1つをカウイに渡します。そしてカウイは海へ、ナウパカは山へと姿を消します。その後、ハワイの海岸と高地には、1つの花の半分の形をした花が咲くようになったということです。

悲しくも暖かいハワイの伝説

他にもいくつかの伝説が伝えられるナウパカの花。いずれも、恋人たちの悲しい伝説。それでも、最後は二人の愛が一つの花となり結ばれるという素敵な話。離れていてもお互いを想い合う気持ちが大切、愛は繋がっているという事なんですね。切ない話なのになぜか最後は心が温かくなる話。だから、ナウパカはエンゲージリングなどのモチーフに使われる事もあるんですよ。恋人に限らず、家族や友達もいつも一緒にいなくても心は通じている…そう思わせてくれる花です。
このビーチ・ナウパカとマウンテン・ナウパカ、よく見ると花弁の形や葉の形が少し違うんです。力強いビーチ・ナウパカに対して、繊細なマウンテン・ナウパカ。ビーチ・ナウパカはワイキキでもよく咲いていますが、マウンテン・ナウパカは、なかなか見られないそうです。
みなさんは、ナウパカのどの伝説が好きですか?

増田千晴(Hawaiian Beauty©公認インストラクター)
masuda

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