エヌエヌ生命保険が運営する中小企業経営者の妻向けコミュニティ「つぐのわ」は7月9日、「夫が社長」妻のつぶやき川柳2026の受賞作品を発表した。第4回となる今回は1914作品が寄せられ、最優秀賞を含む31作品が選ばれた。
最優秀賞は「献立の 代わりに練った 事業案」
最優秀賞に選ばれたのは、りょうさんの「献立の 代わりに練った 事業案」である。日々の食卓を考える時間と、会社のこれからを考える時間が重なり合う様子を、短い言葉で切り取った作品だ。受賞作は漫画でも紹介されており、家計や暮らしの感覚を持ちながら、事業の数字や次の打ち手にも目を配る妻の姿が描かれている。
中小企業では、経営者本人だけでなく、配偶者や家族が経理、資金繰り、人材、取引先との関係などに関わる場面が少なくない。一方で、その役割は日常の会話のなかに埋もれやすい。今回の最優秀賞は、生活と経営が近い距離にある家族経営の一場面を題材にしている。
事業承継と家族の時間を詠む
優秀賞には3作品が選ばれた。エヌエヌ生命社長賞は、チャッピーさんの「AIに 勝る右腕 妻だった」。つぐのわ賞は、夢追い人さんの「オレ継ぐよ 子の一言で 妻が舞う」。女性社長のここともひろば賞は、あれから30年さんの「支えると 決めたあの日は 黒髪か」である。
特別賞のママタルト推薦賞は、ちびたさんの「朝礼の 話盛ったと 妻気付く」。特別賞「旅行・おでかけ川柳賞」は、さとちゃんさんの「旅先で 社員の数の 土産物」が受賞した。旅行先でも従業員の顔を思い浮かべる経営者の姿を詠んだ後者は、仕事と私生活が完全には切り分けられない小規模事業者の実感をにじませる。
このほか、奨励賞5作品、中小企業応援賞5作品、佳作15作品を選出した。受賞作には、夫婦の距離感、世代交代、従業員への気遣い、経営を支える側の迷いやユーモアなど、多様な視点が表れている。
第4回は1914作品から31作品を選出
応募期間は1月28日から3月31日まで。つぐのわは、経営者の妻が抱える日常の思いや、事業承継をめぐる変化を言葉にする場として、2022年から同企画を実施している。川柳という形式を通じて、数字や制度だけでは捉えにくい家族経営の現実を残す試みといえる。
受賞作品の一部は、エピソードをもとに漫画化して公開されている。経営環境の変化を語る際、企業の業績や制度設計に注目が集まりやすい。今回の作品群は、その背後にある家族の判断や生活の手触りにも光を当てている。