「伊藤清のブラジルレポート」
8月5日に開幕を控えるリオデジャネイロ五輪。競技場の設営準備の遅れやジカ熱の蔓延、治安問題など不安要素が報じられているが、開幕後に急激な盛り上がりを見せる事は、過去大会の例からも予想に難くない。
前回のロンドン大会では開会式だけで世界約9億人が視聴したと言われるオリンピック。
PAGEVIEWでは、長年に渡りオリンピックやワールドカップ等でのテレビ中継システムの構築を担い、今大会も現地と日本の視聴者の懸け橋となる株式会社メディアプロデュースジャパンの伊藤清氏による、リオ五輪の開幕を控えた現在から閉幕まで最前線の情報を伝える連載「伊藤清のブラジルレポート」をスタート。
テレビでは報じられない現地の情報を、リオデジャネイロの国際放送センターから伊藤氏がレポートする。
【伊藤清氏からのコメント】
4年に一度のスポーツの祭典、夏の五輪開幕まであと3週間と迫った。開幕前から閉幕後まで、現地の“生の情報”と“都市の熱”を、読者の皆さんに独自の視点から随時お伝えしていこうと思う。
ところで「リオデジャネイロ」という地名が、ポルトガル語で「1月の川」という意味だとご存じだろうか。1502年1月に、この地を発見したポルトガル人の探検家が、到着したグアナバーラ湾の入り口を見て、川だと思い込んだことから「リオデジャネイロ(Rio de Janeiro→River of January→1月の川)」と名付けられたという。
夏の五輪は大都市で行われてきた。リオも大都市ではあるのだが、これまでのロンドン、北京といった都市と比べた場合、自然がすぐそばにあるという事が、今大会の何よりの特徴で魅力のひとつだと言える。
私は2000年のシドニー五輪から現地を訪れているが、五輪パーク(メインの競技場群)やIBC(国際放送センター)のこんな間近に、青々とした高い山々や豊かな水辺がある都市は今までに見た事がない。
張り詰めた緊張感の中で自らの神経をすり減らして競技をする選手たちも、この景観には一瞬なりとも癒されるはずだ。リラックスした状態で競技に臨めば、好記録の期待もできるかもしれない。その意味からも、この都市で開催する意義は大いにあると思う。
経済格差から生じた、政府に対する市民の不満という現状を抱えるブラジルだが、今までにない、類い稀なる場所で開催されるこという自国の風土に誇りを持ち、1964年の東京のように、開催をを契機として国民一丸となって経済を建て直し、更なる発展が成される事を信じてやまない。
ではまた近いうちに、Ate logo!
※PAGEVIEWでは伊藤氏への質問を受け付けています。現地の伊藤氏への質問は【info@pageview.jp】までお送り頂けましたら幸いです。