生成AIのAPI料金を13モデルで比較 入力・出力・キャッシュと期間限定価格の読み方

Astra、Fable、Gemini、Grok、DeepSeekの単価を同じ単位で整理。短文と長文、時間帯、思考トークンまで含めて実際の費用を考える。

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生成AIのAPI料金を13モデルで比較 入力・出力・キャッシュと期間限定価格の読み方の論点を整理した図
図版:PAGEVIEW編集部

生成AI特集 / 料金・選び方 / 2026年9月14日確認

生成AIのAPI料金は、単価を並べるだけでは安さを判断できない。入力と出力の比率、推論の長さ、同じ資料の再利用、検索の回数によって請求額が変わる。さらに2026年9月時点では、導入価格、時間帯別価格、長文側の割増が同時に存在する。

まず比較の土台をそろえたい。以下は2026年9月14日に確認した、主要13モデルの通常処理のテキスト単価である。性能順位ではなく、費用を試算するための表として見る必要がある。

2026年9月14日確認・主要13モデルのAPI料金(米ドル/100万トークン)
モデル 入力 出力 適用条件
GPT-6 Astra 10.00 50.00 入力272K以下。超過時は入力20/出力75ドル
GPT-5.6 Sol 4.00 20.00 入力272K以下。特別価格は少なくとも2026年11月21日まで
GPT-5.6 Terra 2.00 12.00 入力272K以下。超過時は入力4/出力18ドル
GPT-5.6 Luna 0.20 1.20 入力272K以下。超過時は入力0.4/出力1.8ドル
Claude Fable 5.1 10.00 50.00 キャッシュ読み出しは別単価0.25ドル
Claude Opus 5 5.00 25.00 通常の入力・出力単価
Claude Sonnet 5 2.00 10.00 旧導入価格を標準価格として継続
Claude Haiku 4.5 1.00 5.00 軽量モデル。新しさだけで上位モデルとは比較できない
Gemini 3.8 Flash 0.75 3.75 2026年12月31日まで。翌年から入力1.5/出力7.5ドル
Gemini 3.5 Flash-Lite 0.30 2.50 通常の入力・出力単価
Grok 4.6 2.00 6.00 入力200K未満。200K以上は入力4/出力12ドル
DeepSeek V4.1 Flash 0.30 1.20 ピーク時。オフピークは入力0.15/出力0.6ドル
DeepSeek V4 Pro 1.32 3.96 ピーク時。オフピークは入力0.66/出力1.98ドル

表は各社直販APIの通常処理・テキスト利用を基準とした税別表示であり、月額プランの料金ではない。入力はキャッシュ未適用。キャッシュ保存、検索、画像・音声、実行環境などの追加料金と、推論中に消費する課金対象トークンは別途考慮が必要である。OpenAIの272Kは272,000トークン、Grokの200Kは200,000トークンを指す。Solの長文単価は入力8/出力30ドル。DeepSeekのピーク時間は月~金の日本時間10~13時および15~19時で、それ以外はオフピークとなる。

同じ100万トークンでも、入力と出力は違う

入力トークンは、指示文、資料、過去の会話、ツールから返された情報など、モデルへ渡す側の量である。出力トークンは生成する側の量で、モデルによっては、画面に見える回答だけでなく内部の推論に使った課金対象分も含まれる。

そのため、短い回答を返すサービスでも、長い資料を毎回読み直していれば入力費用が積み上がる。逆に、入力が短くても、長い推論や詳細な文書生成を行えば出力費用が大きくなる。日本語の文字数を固定の倍率でトークン数へ換算するのではなく、実際の利用記録から測る方が確実だ。

一件の費用を、簡単な例で計算する

仮に、キャッシュを使わず、一件当たり入力20,000トークン、課金対象の出力2,000トークンを消費するとする。追加ツールなどを除く費用は、「入力単価×0.02+出力単価×0.002」で求められる。

同じトークン数を使った場合の機械的な試算
モデル 一件の費用 月1万件の費用
GPT-6 Astra 0.30ドル 3,000ドル
GPT-5.6 Luna 0.0064ドル 64ドル
Claude Sonnet 5 0.06ドル 600ドル
Gemini 3.8 Flash(導入価格) 0.0225ドル 225ドル
Gemini 3.8 Flash(2027年予定単価) 0.045ドル 450ドル

これは品質や実際の消費量をそろえた実測比較ではない。各モデルが同じ仕事を同じトークン数で終える保証もない。最も安いモデルが何度も失敗して再試行すれば差は縮み、修正のために人が長時間使えば、API料金の差より人件費の方が大きくなる。

キャッシュは「再利用できる構成」で効く

キャッシュは、繰り返し使う長い前提を再利用するための仕組みだ。ただし、保存時の費用、読み出し時の費用、保存時間の課金は提供元によって違う。安い読み出し単価だけを見て、すべての入力がその金額になると考えてはいけない。

例えば、共通の社内規程を毎回参照する問い合わせ処理なら、キャッシュが働きやすい構成を検討できる。一方で、依頼ごとに前提が大きく変わる仕事や、同じ資料を再び使うまで時間が空く仕事では、期待した効果が出ない場合がある。キャッシュ命中率と保存費用を記録して判断すべきだ。

料金変更を追うべき四つの条件

第一は期限である。Gemini 3.8 Flashの導入価格は年末まで。GPT-5.6 Solの特別価格は少なくとも11月21日までとされているが、その後の価格を現時点で決めつけることはできない。

第二は長さである。OpenAIの掲載モデルとGrok 4.6では、入力が一定量を超えた場合に料金区分が変わる。長文側の割増を、超えた部分だけへの課金と誤解しないよう、リクエスト全体への適用条件を確認する必要がある。

第三は時間帯である。DeepSeekのピーク時間は日本の平日日中と重なる。夜間処理へ動かせる集計と、即時応答が必要な接客では使える料金が違う。第四は追加機能で、検索、画像生成、コンテナなどの費用は、基本のテキスト単価に含まれない場合がある。

最後に比較するのは「正しく完了した一件」の費用

運用で記録したいのは、総請求額、成功件数、再試行件数、修正時間、処理時間の分布である。総費用を正しく完了した件数で割れば、安いモデルを選んだ効果が実務でも残っているかを確認できる。

試験時の安さだけで一年分の予算を固定せず、料金表の改定とモデル更新に合わせて試算を更新する。API費用の管理は、最安のモデルを一度選ぶ作業ではなく、仕事の量と品質に応じて配分を見直す作業である。

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