10月13日、CSLベーリング株式会社が「遺伝性血管性浮腫(HAE)治療の現状と最新治療と期待」と題したプレスセミナーを都内で実施した。
HAEは、主に遺伝子の変異により血液中のC1インアクチベーターの低下もしくは機能異常により起こる病気。皮膚や腹部、手足、唇、喉といった様々な箇所に繰り返し腫れが起こり、喉が腫れると呼吸困難に陥り、命に関わる場合もある。
C1インヒビター(C1-INH)皮下注用の提供などHAE領域で40年の実績を持つ同社。2000年にアベンティスベーリングジャパン株式会社として設立され、2004年にCSLグループの一員に。2007年に現在のCSLベーリングに社名を変更している。
セミナーでは冒頭に代表取締役社長のジャン・マルク モランジュ氏が登壇。「HAE領域への取り組み40年の歴史」をテーマに講演を行った。
「CSLベーリングはHAEの患者さんと医療に、過去から現在、未来まで貢献を行って参ります。私たちはHAE発作ゼロにより日常生活を取り戻すだけでなく、人生を満喫していただけることを目指しています」とモランジュ氏。
続いて、同社研究開発本部長の北戸春雄氏が講演。
今年9月26日に厚生労働省から製造販売承認を取得した「ベリナート®皮下注用2000」の開発の経緯と適正使用について語った。
その後、順天堂大学革新的医療技術開発研究センターの眞野訓准教授が「遺伝性血管性浮腫(HAE)治療の現状と最新治療への期待」と題して講演。
「いままでの治療がオンデマンド治療を中心としていたものが、今後はいかに上手に予防してまったく発作を起こさせない生活を提供できるようにするか、『治療のパラダイムシフト』が起きている」と眞野訓准教授。
続いて、オンラインでNPO法人HAEJ理事長の山本ベバリーアン氏が講演。HAE患者の当事者として、日本におけるHAE患者の現状とQOLについて語った。
日本社会において、決して周知されているとは言い難いHAE。治療方法が着実に進歩するなか、さらなる社会的な認知も求められている。
(PAGEVIEW編集部)