未来の歩行空間のあり方とは「人とロボットがスマートに共創する未来」シンポジウムを開催

 ICTを活用した歩行者移動支援サービスとして、国土交通省が促進する「バリアフリー・ナビプロジェクト」

 歩行空間における段差や傾斜など移動において支障となるバリア情報や、車椅子でも利用可能なエレベータの設置位置などバリアフリー情報を「歩行空間ネットワークデータ」として、自治体や事業者と協力して収集、オープンデータとして様々な分野で利活用する環境整備の取り組みとなる。

「人とロボットがスマートに共創する未来」

 2023年1月24日、同プロジェクトでは未来の歩行空間におけるあり方を探るシンポジウム「人とロボットがスマートに共創する未来」を東洋大学赤羽台キャンパスのINIADホールで開催。現地での一般公開とあわせ、YouTube Liveでも同時配信された。

 冒頭、国土交通省の吉岡幹夫技監が登壇。今回のシンポジウムが「より多くの方々がバリアフリー・ナビプロジェクトに興味を持って頂くとともに、誰もが快適に歩ける歩行空間の未来を考える機会」となる期待を述べた。

吉岡幹夫氏

 続けて、ICTを活用した歩行者移動支援の普及促進検討委員会の坂村健委員長がシンポジウムの趣旨を説明。ユニバーサルデザインの原点に戻ることの重要性に触れ、「未来のわが国の道路はどうあるかということに頭を巡らせていただきたい」と語った。
 

坂村健氏

 国土交通省の松田和香政策企画官がバリアフリー・ナビプロジェクトの概要を説明。昨年11月26日に行われた自動走行ロボットの実証実験や、一昨年12月から昨年7月まで実施された「未来の歩行空間」に関するアイデアコンテスト「10年後の歩行って?」について紹介した。

松田和香氏

 続く、関連する事例紹介では、株式会社ティアフォー・岡崎慎一郎氏と独立行政法人都市再生機構・渡邊美樹氏が登壇。岡崎氏は「自動配送ロボット」について、渡邊氏は「多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい」についての実績と展望を語った。

岡崎慎一郎氏

渡邊美樹氏

 パネルディスカッションでは、岡崎氏、渡邊氏に加え、社会福祉法人プロップ・ステーションの竹中ナミ理事長、バリアフリー・ナビプロジェクトでアンバサダーを務める瀬立モニカ氏と網本麻里氏、国土交通省 総合政策局総務課(併)政策統括官付 企画専門官の福島晶子氏がパネラーとして登壇。坂村委員長をモデレーターとして、「これからの歩行空間」について意見を交わした。

 ビジネスやバリアフリーにかかわる歩行空間の可能性をひもといた今回のシンポジウム。

 今後も同プロジェクトの動向を注視したい。

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