国土交通省のアイデアコンテスト「10年後の歩行って?」各賞が決定

 ICTを活用した歩行者移動支援として、国土交通省が推進する「バリアフリー・ナビプロジェクト」

 歩行空間における段差や傾斜など移動において支障となるバリア情報や、車椅子でも利用可能なエレベータの設置位置などバリアフリー情報を「歩行空間ネットワークデータ」として、自治体や事業者と協力して収集、オープンデータとして様々な分野で利活用する環境整備の取り組みとなる。

 そんな同プロジェクトの一環として、同省では「未来の歩行空間」に関するアイデアコンテスト「10年後の歩行って?」を実施。昨年12月21日から今年7月31日まで募集を行い計439点の応募が寄せられた。

 こうして各部門の受賞内容が決定。11月29日に同省の特別会議室で受賞者を招いた表彰式典が行われた。

ネーミング部門

「ネーミング部門」を受賞したのは鈴木結子さんが発案した「スマイル歩行ナビ」。「車椅子やベビーカーを利用する人、人間を助けるロボットなど、すべての人やロボットがスムーズに移動できる笑顔あふれる未来」をイメージしたという。

ビジュアル部門

「ビジュアル部門」を受賞したのは米田貴文さんの「あるこっく」。

 近未来のロボットのようなイメージとカラフルな人それぞれの歩き方や多様性、鮮やかな羽を持つ孔雀をモチーフとしたシンボルキャラクターだ。

アイデア部門「バリアフリーの部」

アイデア部門「バリアフリーの部」は二組が受賞。

 一組目はOnion Ring(オニオンリング)が考案した「PLAFETY 〜安全な未来広がる歩行空間デジタルツイン〜」。視覚障害者が安心して歩けるためにスマートフォンで計測した歩行空間や危険な場所を共有するシステム。

 もう一組は金沢工業大学 心理科学科 6班の「危険地点投票システム」。インターネットを用いて、危険な道を危険度やその道を利用する頻度とともに報告してもらい、ランキング形式で可視化する。

アイデア部門「イノベーションの部」

 アイデア部門「イノベーションの部」では佐賀大学の「光活用型交通サイン計画」が受賞した。ながらスマホ、歩きスマホ、信号無視の防止策として、光を活用した交通サイン計画を提案。光を活用したサインを交差点などに投影する近未来的なアイデアだ。

特別賞

 特別賞を受賞したのは、いずれも小学生の二組。

 篠澤花奈さんの「らくらくおたすけロボット!」は「スマホで行きたいところを入力すると、そこまで乗せて行ってくれる移動式ロボット」。重い荷物を持つことの負担軽減がアイデアの出発点となった。

 矢野和直さんが考案したのは「アニメの世界に入れちゃう!アニメウォークメガネ」。グラスをかけることで「好きなアニメの世界」に入ることができ、安全に歩くために自転車がきたり危険があるとアラートサインが出る仕組みに。さらに道案内機能や音声案内機能により迷わず目的に着くことができるという「楽しく歩きながらも安全に歩く方法」が受賞した。

 各賞の発表後に「ICT を活用した歩行者移動支援の普及促進検討委員会」の坂村健委員長が登壇。「あらゆる人が楽に楽しく歩いていけるような道をつくれるように、これからも歩くことを最新の技術で助ける活動を続けていく」と語った。
 
 同プロジェクト公式サイトでは各受賞内容の詳細を紹介している。

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