23日、ロンドンに本部を置くメディア・コングロマリットのピアソン PLCは、傘下の英経済紙「フィナンシャル・タイムズ(The Financial Times)」を日本経済新聞社に売却すると発表した。売却額は8億4400万ポンド(約1600億円)。
フィナンシャル・タイムズの創刊は1888年。政治家・実業家のホレイショ・ボトムリー(Horatio Bottomley)により「正直な資本家と高潔なブローカーの友」をテーマに日刊紙として創刊された。
最も知られている特徴が1893年に採用された「サーモンピンク」色の紙面。同紙は公式ウェブサイトで「他の日刊紙と区別してもらうための、独特なトレードマーク」と独特な色がブランディングを目的としたものであると解説している。
1957年にピアソン傘下となり、現在ではイギリス版のほか、ヨーロッパ版・アメリカ版・アジア版が発行されている同紙だが、1979年にドイツ・フランクフルトで国外版を発刊したのが最初の国際展開。2014年の総発行部数は年間75万部で、140ヶ国に160万人の読者を抱えている。
近年、電子版スタッフの比率を増やすなどウェブ部門に注力していた「フィナンシャル・タイムズ」。今回、日経傘下となった事で日本語版「フィナンシャル・タイムズ」の誕生が期待される。