南国の楽園・ハワイの魅力について、日本ハワイアンビューティ協会がお届けする連載コラム「ハワイアンビューティのすすめ」。32回目となる今回は、Hawaiian Beauty®公認インストラクターの高岡ゆかりさんによる「バリアフリーなアクティビティ」――
ハンディキャップがあっても楽しめるアクティビティ
このコラムのvol.17(「ハワイアンビューティのすすめ」vol.17 「バリアフリー天国・ハワイ」)でハワイのバリアフリー、特に交通機関についてご紹介しました。ハワイでは様々な乗り物が快適に利用できるので、滞在中の行動範囲が広がります。それに加えて、ハワイでは、ハンディキャップがあっても楽しめるアクティビティも充実しています。ハンディキャップと言っても人それぞれにお持ちの障害の状態が違うので、参加可能なアクティビティも異なってはきますが、今回は私が、車椅子を利用している娘と実際にハワイでチャレンジしたアクティビティを、いくつかご紹介しましょう。
無料でレンタル可能なビーチ用車椅子
砂浜に車椅子のタイヤが埋まってしまうのでなかなか敬遠しがちなビーチですが、アラモアナ・ビーチパークでは、ランディーズと呼ばれるビーチ用車椅子を無料レンタルできます。道路からビーチまでゴム製シートが敷かれた場所もあり、そこなら普通の車椅子でもビーチに入れます。せっかくのハワイですから海をより身近に感じてみたいですよね。
また、美しいサンゴ礁が広がるハナウマ湾にもランディーズがあり、波打ち際まで行くこともできます。駐車場からビーチまでは、車椅子のままシャトルバスに乗れます。
ハワイ島・マウナケア山頂サンセット
ハワイ島では、念願のマウナケア山頂まで登りました。マウナケアは富士山より高い標高4205m。途中休憩をはさんで、車で頂上まで行けるのです。富士山の山頂に登ることは叶いませんが、それより高いマウナケアの頂からの景色は神秘的!すばる望遠鏡と並んで記念写真を撮るなんて夢のような経験でした。
たっぷり休憩時間をとりながら、防寒準備もして体調を整えるので、空気の薄い山頂でも笑顔で写真が撮れました。山頂までの道は、一般の車は走れないのでオプショナルツアーでの参加が必要です。日本の会社や現地のツアー会社があります。
オプショナルツアーへの参加について
各種アクティビティには、ホテルまでの送迎がついたオプショナルツアーもたくさんあります。多くのオプショナルツアーがバリアフリーに対応していますが、送迎車が車椅子対応かどうかなど事前に確認が必要です。ツアーやアクティビティの内容によって、注意点もさまざまです。大切なのは、事前に障害の状態を相手にきちんと伝えることですね。ハワイでは、ツアーの提供者もアロハスピリットで楽しいツアーになるように手を尽くしてくれるので、参加する側も積極的に正しい情報を伝えることが、安全にアクティビティを楽しむポイントと言えるでしょう。
車椅子で乗船できるナバテック号
マウイ島が有名なホエールウォッチングも、12月から4月の間はオアフ島でもオプショナルツアーがあります。揺れの少ない安全設計のナバテック号は、車椅子のまま乗船可能。デッキで波しぶきを受けながらクジラを探すことに、当時小学生だった娘は大はしゃぎでした。
ホノルルマラソン・レースデーウォーク
最後に私たち親子が毎年参加しているアクティビティ。ホノルルマラソンではフルマラソンと車椅子部門の他に10kmのレースデーウォークという種目があります。フルマラソンの選手がスタートした30分後に同じスタートラインから出発し、夜明け前のダウンタウンを抜けワイキキを通ってカピオラニパークまでの10kmを歩くイベントです。年齢を問わず車椅子でも参加でき、のんびりお散歩気分でハワイの景色を堪能し風を感じながら歩く。それでいてゴールでの達成感は格別。病みつきになる満足感です。
マウナケアのオプショナルツアーに参加した時、現地のツアー会社のスタッフが私たち日本人の車椅子参加者に「はるばる私たちのツアーに参加してくれてありがとう」と言ってくれて胸がいっぱいになりました。ここには心のバリアフリーがあるのですね。
高岡ゆかり(Hawaiian Beauty®公認インストラクター)
※※高岡ゆかりさんらHawaiian Beauty®公認インストラクターが教える、ハワイをテーマにした癒しと美・健康の教養講座『ハワイアンビューティリーダー講座』は、各地で開催中です。詳しくはこちらへ。