「ハワイアンビューティのすすめ」vol.17 バリアフリー天国・ハワイ

南国の楽園・ハワイの魅力について、日本ハワイアンビューティ協会がお届けする連載コラム「ハワイアンビューティのすすめ」。17回目の今回はHawaiian Beauty公認インストラクター・高岡ゆかりさんが紹介する「ハワイのバリアフリー環境」――

バリアフリー天国

ハワイを含むアメリカには、ADA法(American with Disabilities Act : 障害を持つアメリカ人法)という法律があります。これは障害者の社会参加を支援するもので、公共施設のバリアフリー化が義務付けられています。

特にハワイは、早くから宿泊施設や交通機関等が整備され、バリアフリー天国と言われています。ショッピングセンターの通路は広々としていて、段差のある所にはスロープやエレベーターが設置されています。どんなに小さな店で、そこにたったひとつしかトイレがなかったとしても、そのトイレは車椅子で入れる広さが備わっています。そんなハード面の整備が整っていることは、障害者のみならずお年寄りやお子様連れの家族旅行者にとっても旅を快適にする大きな安心材料になります。が、それ以上に感じる満足感や心地よさ・・・それこそハワイがもたらしてくれるホスピタリティ(心のおもてなし)だと思うのです。心のバリアフリー天国でもあるですね、ハワイは。
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私は、車椅子を利用している家族を同伴して、毎年ハワイを訪れます。日本からの遠い道のりも、ハワイへ降り立ってすぐ、空港スタッフがアロハスピリッツで歓迎してくれる瞬間から、心が晴れやかになります。そして、さまざまなバリアから解き放たれた快適なハワイアンライフが始まります。

交通機関のバリアフリー

ワイキキの街中では、車椅子に乗った方をよく見かけます。車社会であり高齢者も多く住んでいる為、バスは島民にとって重要な“足”です。オアフ島内の移動は、路線バスの「ザ・バス」がだんぜん便利です。オアフ島全域を網羅していて、車椅子への対応率はほぼ100%。自動リフトやスロープが搭載され、乗り降りはスムーズです。

バス停に到着すると、まずドアが開き、中からスロープが自動的に降りて来ます。バスに乗る順番は、障害を持った人、高齢者、女性と優先順位が決まっており車内マナーも徹底しています。スロープを利用して乗り降りしている間、そこにはゆったりとした時間が流れていて、乗客の誰もがその時間を快く共有してくれます。イライラして急かす顔をする人はいません。車椅子の本人もその家族も気兼ねせずに利用できて、心から「ありがとう」と言いたくなる空間です。
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また、台数は多くありませんが、車椅子用のリフト付きのシャトルバスやトロリーバスもあります。体の大きな運転手さんが笑顔でリフトを操作してくれます。トロリーバスでハワイの風を受けながら街中を走るのも、車椅子利用者にとって日本では味わえない嬉しいひとときですね。

交通手段として他には、タクシーにもリフト付きの車両があります。パールハーバー近くにあるパールリッジではショッピングセンター間を走るモノレールもありますが、もちろん車椅子OKです。ワイキキから少し足を延ばして、ローカルな雰囲気に包まれたショッピングも楽しいです。パールリッジセンターへもザ・バスで行くことができます。2019年にはホノルル西地区にモノレール(電車)が開通する予定でますます便利になりますが、当然のことながらバリアフリー設備は完備されていることでしょう。

旅を快適にしてくれるバリアフリーは、宿泊施設やアクティビティのサービス面でも整っています。これらについてもまた別の機会にご紹介したいと思います。
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心のバリアフリー

ハワイのバリアフリーが進んでいるのは、ADA法が施行され、障害をもつ人への配慮が行き届いて来たことによることも事実ですが、古代ハワイ人から代々受け継がれて来たアロハスピリッツ(全てを受け入れる、もてなしの心)は、法の制定よりずっと前からハワイに深く根付いていて、訪れる人々を温かく迎えてくれていました。これこそが心のバリアフリーであり、本当のバリアフリー。人々の心を、癒しエネルギーで包み込んでくれる源なのでしょう。そんな心地よさを求めて、また訪れたいと私達は思うのですね。

今まで旅行に行くのをためらいがちだった身体の不自由な方も、思い切ってハワイデビューしてみてください。多くの人がそうであるように、思いがけない元気をもらえることと思います。

高岡ゆかり(Hawaiian Beauty公認インストラクター)
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