「ハワイアンビューティのすすめ」vol.29 ハワイで暮らす方法

 南国の楽園・ハワイの魅力について、日本ハワイアンビューティ協会がお届けする連載コラム「ハワイアンビューティのすすめ」。29回目の今回は、日本ハワイアンビューティ協会代表理事・しらいあきらさんによる「ハワイで暮らす方法」――

ハワイに住むために

 このコラムを読まれている方の中には「いつかはハワイに住みたいなあ」と、そう夢を描いている人も多いことと思います。実は、私もその一人。快適なハワイで悠々自適に暮らすことを夢見ながら、日々の仕事に追われているわけです。そんな同じような夢を持っている人のために、そして私自身の頭の中の情報整理のために、ハワイで暮らすための“ハードル”について触れていきたいと思います。

 ハワイで暮らす、ということを移住、すなわち1年の大半をハワイで寝泊まりすることとした場合、まず、最初に立ちはだかるのがビザの問題です。

 一般的な観光ビザの場合、1回の渡航で90日までの滞在が可能で、年間合計180日まで滞在できることになっています。ですが、実際には、30日を超えるような長期滞在と申請した場合や、帰りの日が決まっていない(帰りの航空チケットを持っていない)などの場合には、入国の際に厳しい質問攻めに会い、厳しい持ち物検査に加えて、旅行の目的や長期滞在の理由をきちんと明確に説明しなければならなくなります。また、一度、かなりの長期滞在をした後だと、2回目の渡航の際には、さらにいろいろな説明を求められ、担当者が納得してくれないと入国させてもらえません。ですので、実際には観光ビザで180日間をハワイで過ごすのは、なかなか難しいことになります。
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 特に最近は、テロ防止の観点からアメリカに入国する者への監視は年々、厳しくなっているようです。実際、私の知人は、目的はまさに旅行であったのですが、趣味で持っていた業務用の特殊な機械装置についてしつこく質問され、その用途や必要性をうまく英語で説明ができなかったため入国が認められずに、成田に強制送還されてしまいました。

永住権(グリーンカード)

 そういうことで、旅行の域を超えて“ハワイで暮らす”ということを実現するには、永住権(グリーンカード)か、永住に近い長期滞在が可能なビザが必要となってきます。

 まず、アメリカでの永住権を取得するためにもっとも簡単な方法は、アメリカ国籍の人と結婚するという方法です。アメリカ人を配偶者に持てば、まずは2年間の期間限定の条件付き永住権が付与され、2年後も婚姻が続いていれば通常の永住権が認められます。しかし、実際には永住権取得目的の偽装結婚などもあり、面接審査ではいろいろな夫婦関係についての細かな質問がされ、夫婦で答えが一致しないことなどがあると、それを理由に認められないなどもあるとのこと。「最も簡単」と書きましたが、そもそも、アメリカ国籍のステディな異性を捕まえるのは、人によっては「最も難しい方法」かもしれません。
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 この方法の応用としては、ご年配の方であれば、自分の子供がアメリカ国籍の人と結婚して永住権を得ると、その親も永住権を申請できることになるのですが、こちらも計画的に、というのは少し無理な話になりますね。

夫婦で応募すれば当選確率が2倍

 一方、誰でも平等に抽選で永住権を得られるDV抽選永住権というものがあります。こちらは、抽選に当たりさえすれば比較的条件は緩いもので、毎年多くの日本人が挑戦していますが、あくまで運任せ。いつ当選するかはわかりませんし、当選したらしたで、一定期間以内に本当に「移住」しないと権利が無効になります。また、抽選に応募する書類にも形式的に厳しい基準があり、例えば写真の背景や位置などにより書類上で落選してしまうことがあるようです。真剣に当選を目指すのであれば、信頼できる業者に書類作成を依頼するなど、それなりの対策が必要です。

 この抽選は、家族単位ではなく、個人での申し込みとなります。ですので、前述のように配偶者が永住権を得られれば自分も永住権を申請できることになりますので、ご結婚されているかたは夫婦で申し込めば、当選確率が倍になるということになります。

仕事がなければ移住できない

 さて、アメリカだけでなく、国家にとって「住む」ということは、原則として「その国に税金を納める」ということになります。逆に言うと、税金を納められないような人間は、国にとっては居住を許可するメリットがないわけです。ですので、一般的には、ハワイに住むためには、ハワイ現地で仕事をして、なんらかの収入を得て、アメリカ合衆国に税金を納めるということをしなければなりません。移住するためには、永住権や就労を認められたビザが必要で、その永住権・ビザを得るためには仕事が必要ということです。そして、仕事をするには永住権やビザが必要です。観光ビザでは、ハワイで働くことは違法となります。なんだか「鶏と卵」みたいな話になってきますが、この仕事とビザについては、引き続き次回にお話することにしましょう。

しらい あきら(一般社団法人日本ハワイアンビューティ協会代表理事)
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