「ハワイアンビューティのすすめ」vol.37 雪の女神・ポリアフの教え

山頂に雪が積もるマウナケア
山頂に雪が積もるマウナケア

 南国の楽園・ハワイの魅力について、日本ハワイアンビューティ協会がお届けする連載コラム「ハワイアンビューティのすすめ」。37回目はHawaiian Beauty®公認インストラクターの増田千晴さんによる「雪の女神・ポリアフ」の話――

ハワイの魅力のひとつ「ハワイの伝説」

 ハワイには沢山の伝説があります。それは、私がハワイを好きな理由の一つでもあります。その神話を知れば知る程、また、ハワイに引き込まれていく……
 前回の私のコラム(「ハワイアンビューティのすすめ」vol.22 伝説の花・ナウパカ)では、『ナウパカ』の伝説について書かせていただきましたが、現代のハワイの魅力だけではなく、古代の魅力も知ってほしいと思い、またまた古代神話について書かせていただきます。今回は「雪の女神・ポリアフ」について。

 ハワイの女神といえば「火の女神 ・ペレ」が有名ですが、ポリアフという雪の女神はご存知でしょうか?ハワイに雪!?なんて想像できないですよね(笑)。

 ですが、雪景色に満天の星空……素敵な場所に素敵な神話があるんです!!

山頂に雪が積もるマウナケア
山頂に雪が積もるマウナケア

 ハワイ島には「マウナケア」という標高4205mの火山があり、冬になると山頂が雪に覆われることから「白い山(マウナ=山、ケア=白い)」と呼ばれています。この山が、ポリアフの住処です。海抜ではなく海底から測ると10,203mの高さがあり、エベレストを抜いて世界で最も高い山、宇宙に一番近い山と言われています。年間を通して晴天率が高く、周囲に明かりがないなどの好条件が揃い、世界で最も天体観測に適した場所でもあります。

ハワイ神話・ポリアフの恋

 ポリアフはハワイ4大神の一人、カーネ神の長女。ポリアフには、リリノエ、ワイアウ、カホウポカネという女神の妹たちがいます。ポリアフはハワイ神話に登場する女神の中で「最も美しい女神」と言われ、その美しさはペレが嫉妬に狂うほど。

 ある日、ポリアフがハマクアの海辺の岩に美しい白いマントを身につけ休んでいると、そこへカウアイ島に住む身分の高い王子アイヴォヒクプアが通りかかりました。アイヴォヒクプアは美しいポリアフに一目惚れし、彼女に結婚を申し込みます。ポリアフは、婚約の証に「互いのマントを交換しよう」と言います。アイヴォヒクプアは急いでカウアイ島へ戻り、マントと王の象徴である美しい鳥の羽のヘルメットを身につけ、大勢の従者と楽隊を連れ再びハワイ島のポリアフの元へ戻りました。そして2人は沢山の人たちに祝福され、今度はカウアイ島での祝宴の為2人はカウアイ島へ向かいました。

 ところが、アイヴォヒクプアは以前、マウイの王女にも結婚を申し込んでいたのです。悲しみ怒り狂ったマウイの王女は、結婚祝宴の当日、カウアイ島へ乗り込み、そして皆にアイヴォヒクプアの不貞をなじったのです。ポリアフは、その事を冷静に受け止め、自ら身を引いて結婚を辞退しました。

 アイヴォヒクプアとマウイの王女の結婚式の日、カウアイ島の島中が冷気に包まれ、マウイの王女はあまりの寒さにマウイへ逃げ帰りました。そしてポリアフは、アイヴォヒクプアに凍死するほどの冷たい風を吹き付け、2度と戻ることはありませんでした。

切ないフラソング「ポリアフ」


 ポリアフが流す涙
 愛に心を痛めて
 別れの悲しみ
 アイヴォヒクプア

 愛しい思い出
 去った日々
 愛する人はいない
 ここにひとりきり

 戻ってきて
 愛しい人

 ポリアフのフラは満面の笑みではなく、笑みと共に寂しげで儚げな表情で踊ります。そばにいたいのに、隣にいる事もできない悲しさ。それでも心から相手を想い愛する気持ち。その気持ちが自分の真実の愛だと気付いた時、辛くてもその愛に幸せや喜びを感じる。

 「この恋がどんなに辛くても、あなたを想う事が私の幸せ」

 それが、悲しいけど嬉しいという表情に繋がるのかもしれませんね。

ハワイ神話・ポリアフとペレの戦い

 ポリアフは、マウナケア東の山腹で人間たちとともに暮らしていました。ある日、人間たちとホールア(ハワイのソリ)で滑っていたとき、謎の美女が現れ、ポリアフに勝負を挑んできました。その美女はホールアを持っておらず、ポリアフが不利になるような1台を借りました。

マナカードに描かれたポリアフとペレ
マナカードに描かれたポリアフとペレ

 最初の競争で、ポリアフは挑戦者をあっさりと抜き去ります。次に、ポリアフは寛大にも、挑戦者と互いのホールアを交換することに応じた上で、再度競争し、またもや勝利を収めます。

 3度目の競争で、挑戦者はポリアフを妨害しようと溶岩流を流し、火の女神・ペレであるその正体を現します。しかし、マウナケアの山頂に冷気を含んだ黒い雲が集まり始めました。ポリアフが呼び寄せた雪の雲です。雪は山頂からどんどん積もります。ペレの味方であった溶岩は冷たい岩となり、火口を塞ぎ逆にペレの敵となってしまいます。流れ出ていた溶岩流も次々と氷結し、それが現在のラウパホエホエの奇岩風景の起源だそうです。

ペレが住むというハワイ島南部のキラウエア火山の火口
ペレが住むというハワイ島南部のキラウエア火山の火口

 ポリアフとペレは、その後、何回も戦いを繰り返しますが、その都度、ポリアフの勝利に終わります。しかし、ポリアフはペレをハワイ島から追放して、ハワイ島全土を統治しようなどということは考えず、島の南半分をペレが統治し、島の北半分をポリアフが統治する、という共存関係が続きました。

ポリアフから学ぶこと

 「不動の強さ」と「自信」、常に冷静沈着なポリアフ。争いは争いしか生まない。問題が直面しても冷静な判断が必要ですね。ペレの様に怒りや悲しみに身を任せ突き進み、失敗する事もあります。私もですが、大体の人がペレの様になってしまいますよね。それも一つの人生勉強だと思います。ですが、あの時もう少し冷静になっていたら……こんな失敗をせずに悲しむ事もなかったかもしれない、と思う事も。 過ぎた時間は戻せません。失敗も消すことは出来ません。ですが、失敗を修復することは出来ます。失敗から成功に変えることも。時には、流れに身を任せ冷静に見守る事で、お互いが冷静になれる一つの方法。簡単な様で難しい事ですが、とても大事な事ですね。ハワイ島を統治しているのがペレの力だけではなく、その力を鎮めるポリアフの力もあるからこそ、バランスが保たれているのです。

 ハワイは楽しいリゾート地。というだけでなく、なぜ、こんなにも人々を惹きつける地なのか。古代からの教えや神話、それに対する信仰などが現代の魅力に繋がっているのだと思います。

masuda

増田 千晴(Hawaiian Beauty®公認インストラクター)

※Hawaiian Beauty®公認インストラクターが教える『ハワイアンビューティリーダー講座』『ハワイアンアロマ調香講座』は、ハワイをテーマにした癒しと美・健康を実践する楽しい講座です。詳しい日程はこちらでご確認いただけます。

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